バイオマス発電事業における
パーム油調達の自主的取組について

1.バイオマス発電事業

当社グループは、バイオマス発電所2ヶ所(出力合計約3.7万kW)を保有し、当社グループが電力供給する電源の一部として、年間総発電量約2.8億kWh(世帯換算で約8万世帯分)の発電を2015年より行っています。また、当該発電所は、化石燃料や原子力に頼らない再生可能エネルギー普及促進を目的として制度化された固定価格買取制度に認定されています。
当社グループのバイオマス発電所は、アブラヤシ果実を絞り精製されるパーム油を燃料とするもので年間約7万トンを利用しています。

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2.固定価格買取制度に基づく
事業計画策定ガイドライン(2020年4月改正)

パーム油は全世界で年間7000万トン以上生産されていますが、近年、パーム農園開発やパーム油生産において、森林破壊や人権侵害等の問題との関連性が指摘されています。ガイドライン(バイオマス発電)では、すでに運転を開始している発電事業者に対し、持続可能性の確保に関する自主的取組を自社ホームページで開示することとされています。当社グループは、持続可能性を確保したパーム油調達を目的として、以下の自主的取組方針のもと活動を行っています。

3.自主的取組方針

  1. 当社グループは、事業計画策定ガイドラインの主旨や、「持続可能なパーム油」の生産と利用の促進と普及を目的としたRSPO※1の取組み、パーム油最大の産油国のパーム油生産・流通の認証基準(MSPO※2:マレーシア / ISPO※3:インドネシア)の制度化などの、パーム油の諸問題の解決に向けた世界的な動きに賛同し、パーム油を利用する企業として、持続可能なパーム油調達に積極的に取組んでまいります。
  2. 当社グループは、持続可能性の確保に関する自主的取組として、契約先の商社および調達元の現地サプライヤーと協力し、RSPOなど持続可能性基準に適合パーム油のみを使用します。

※1.RSPOとは「持続可能なパーム油のための円卓会議」英名”Roundtable on Sustainable Palm Oil”、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することを目的として作られた民間団体が定めたパーム油の認証基準。
※2.MSPOとは、マレーシア政府機関であるMPOB(マレーシアパーム局)が運用する国内法を基準とした国家認証制度で、持続可能なパーム油の供給を目指すもの。
※3.ISPOとは、環境に配慮した合法的な農法を目指すインドネシア政府が定めた「持続可能なパーム油の国内規定」。

4.自主的取組方針に対する具体的施策

1.パーム油のトレーサビリティ

当社は、燃料となるパーム油の調達契約を国内大手商社と締結しています。燃料は当該商社により生産国から輸入されバイオマス発電所の燃料タンクまで運搬、供給されています。商社は、当社取組方針に従い調達元となる現地サプライヤーと契約し、RSPOなど持続可能性基準に適合したパーム油のみ調達しています。各生成工程でのトレーサビリティ管理は第三者認証制度が定めるサプライチェーン管理の手法を用いて管理され、当社はこれを証する管理番号を把握致します。

2.持続可能なバイオ燃料発電コンソーシアムの組成およびその活動

当社は既にパーム油を燃料として発電事業を行う企業と「持続可能なバイオ燃料発電コンソーシアム」を組成し、液体バイオマス燃料(主にパーム油)に関連した持続可能性向上への取り組みを推進することを目的とした活動を行っています。活動内容は下記コンソーシアムHPにて随時開示いたします。