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会津の地でエネルギーの地産地消に挑む~NFT実証事業パートナー 大和川酒造店さま~

2022年12月21日

今年8月、当社はブロックチェーン上の再生可能エネルギー(再エネ)使用実績データをNFT化する実証を行うと発表しました。この実証事業に対する反響は大きく、社内外から多くの問い合わせをいただきました。

実証事業の成果についてはまだ検証中のため別の機会にお伝えするとして、今回は、この実証事業を当社と一緒に実施いただいた福島県の大和川酒造店さまをご紹介したいと思います。

福島県の由緒ある酒蔵が、なぜエネルギーにこだわるのか?どんなことを目指しているのか?その想いを大和川酒造店社長の佐藤雅一氏に聞いてきました。

ウチの蔵の特徴は“地の米、地の水、地の技術”

会津という土地は、お米がよく穫れる扇状地なんです。大和川酒造店では農業法人も持っていて、酒造りに使う“米”を作るところからやっています。“水”も、北西にある飯豊連峰という山からの伏流水を汲み上げたものを使っています。

そして、もう一つ“技術”も地元にこだわっています。昔は杜氏制度で新潟から杜氏さんを呼んで来てもらっていましたが、働き方が特殊すぎて現代となじまない。そこで、福島県の酒造組合が、地元の人に酒造りの技術を教える「清酒アカデミー」という専門学校をつくったんです。杜氏の育成機関ですね。アカデミーで技術を学んで、各蔵に持ち帰ってもらって、さらに杜氏同士で情報交換をすることによって地元の酒造技術を高め合ってきました。その成果か、福島県の日本酒は権威ある品評会での金賞受賞数が9年連続日本一を獲得し、今、福島の日本酒は盛り上がっているんです。ですから、大和川酒造店で酒造りに携わる人たちも、会津近辺の出身者です。

米、水、技術の三本柱を地元のものにこだわっているところが、ウチの蔵の特徴です。

“エネルギーの地産地消”は四本目の柱

喜多方市だけでも酒蔵は9軒くらいあって、ウチと同じように地元の米・水・技術にこだわっている蔵は他にもあります。ですから、今までの三本の柱に“地のエネルギー”という四本目の柱を加えて酒造りをやることを目標にしています。他にやっている酒蔵はないですからね。良い個性になると思いますよ。

エネルギーの地産地消を考え始めたきっかけは東日本大震災ですね。原子力災害にあって、原発に頼らず地元のエネルギーで何とかしようというところから、現会長が中心になって会津電力を立ち上げました。そういった影響もあって、地元産にこだわるものの一つとして“エネルギー”は常に頭の中にありました。エネルギーも含めて、喜多方のものだけでお酒をつくる。これこそが地域に根付いて仕事をすることにつながるし、地域の文化や資源を守ることにもつながります。さらに、喜多方にとことんこだわることはお客さまへの一番のアピールにもなると思っています。

今は、会津産の自然エネルギーによる地産地消を目指す会津エナジーから電力供給を受けています。工場には太陽光パネルや蓄電池も設置していますが、太陽光だけで電力を賄うのは難しいですよね。ですから、次の一手としてバイオマスボイラーを導入することを計画しています。燃料に使用するチップは、もちろん地元産です。森林資源が豊富ですから。

産地を見える化するNFTの試みに期待

いろいろと再エネに関する取り組みは始めていますが、今はまだ、どこから来た再エネをどれくらい使っているのかをお客さまにアピールできていません。今回実証事業を一緒にやらせていただいたNFTの仕組みは、使っている電気が再エネかどうか、どこで生まれた電気かを証明する仕組みです。私たちは「喜多方で生まれたものをお客さまに届ける」ことを目指していますが、その裏付けを見える化してお客さまに示していくこともとても大切です。そういった点で、NFT実証事業の意義に共感しました。

今回の実証はまだ手探りではじまったばかりですが、地元産の再生可能エネルギーでつくられたお酒であることをNFTなどの仕組みを使ってアピールしやすくなることを期待しています。

やるなら極端に

エネルギーだけじゃなくて、これからは瓶やキャップ、ラベル、箱に至るまで地元産というところにこだわっていきたいと思っています。ホントに全部が会津でつくられたもので商品を出したいですね。

やろうと思ったらできるはず。もちろんお金はかかると思いますけど(笑)。

味の違いだけではなく、自分たちの個性を出していくために何ができるのか。大和川酒造店でなければできないことがあると思っているので、どこまでもこだわり続けます。やるなら極端に!です。

取材を終えて
~㈱エナリス みらい研究所 NFT実証事業担当 竹島健司~

今回のNFT実証で使用したエナリスのブロックチェーン技術は、エネルギーのトレーサビリティだけに適しているわけではありません。例えば、大和川酒造店さまが目指されている瓶やキャップ、ラベルなどの管理も可能です。さらに、それぞれの部品をつくる過程で使用された電力の管理も可能です。

大和川酒造店さまが目指されている地元産のこだわりを、いずれすべて当社の技術でサポートさせていただいて、見える化のお手伝いをすることができるかもしれませんね。

大和川酒造店さまのチャレンジングな気質は当社にも通じるものがあるので、今後もさまざまな取り組みをご一緒させていただきたいです。

旅の一コマ

▲「トンネルを抜けるとそこは雪国であった・・・。」
郡山駅からレンタカーに乗り換えて1時間ほど走り、トンネルを抜けると、目の前に広がっているのは川端康成の小説さながらの雪景色。
▲大和川酒造店会長の「九代目 佐藤彌右衛門」さん
会津武士のような会長の佐藤彌右衛門さんにもお会いすることができました。
会津電力や会津エナジーの立ち上げにもかかわった、エネルギーの地産地消を進める中心人物です。お話しの端々から、水も食料もエネルギーも豊かな会津の土地を次の世代に渡していくんだという強い想いを感じました。
▲大和川酒造店に併設されている「北方風土館」大和川酒造店の沿革が垣間見える他、美味しいお酒の試飲コーナーも。
お土産で買って帰った「彌右衛門 辛口大吟醸」はすっきりと飲みやすい味わい。あっという間に1本空いてしまいました。
▲喜多方と言えば「喜多方ラーメン」
大和川酒造店の周りには、喜多方ラーメンのお店がたくさんあります。
たまたま入った「うえんで」さんで食べた会津山塩らぁ麺が美味しくてビックリ!

写真はすべて©ENERES

取材・文責 エナリス広報部

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