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活動報告

Adobe社で「視覚障がいから考える多様性」出前授業を開催!

2025年07月24日

アドビ社 日本オフィスで特別な「出前授業」

アドビ社のおしゃれなオフィスで開催。素敵な空間で生産性が上がりそうです!
▲アドビ社のおしゃれなオフィスで開催。素敵な空間で生産性が上がりそうです!

7月8日、エナリスのマッサージルームで活躍する早川美奈子さんと盲導犬のタッチが、PhotoshopやIllustratorでおなじみのアドビ株式会社の大崎オフィスで特別な「出前授業」を開催しました!

普段は小中学校向けに行っているこの授業ですが、今回はアドビ社員の方々からのリクエストに応え、大人向けのスペシャルバージョンとして実現。エナリス社内にも生中継でお届けしたこの貴重な機会について、ご紹介します。

授業の目的は、「インクルーシブな職場環境👪」

空席に早川さんを誘導する盲導犬のデモンストレーションの様子
▲空席に早川さんを誘導する盲導犬のデモンストレーションの様子

今回の出前授業を企画したのは、アドビ社内の社員ネットワーク「Access at Adobe」というグループです。障がいのある社員やそのご家族の支援、意識向上、そしてアドボカシー(擁護)に力を入れています。

これはアドビが掲げるDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)活動の一環で、有志の社員がイベントや勉強会を企画しているそうです。彼らの目標は、障がいを持つ社員が職場で直面する課題への理解を深め、誰もが能力を最大限に発揮できるインクルーシブな環境を推進すること。

私たちエナリスにとっても、非常に参考になる素晴らしい取り組みだと感じました。ちなみに、アドビ社にも、エナリス同様に社員向けのマッサージルームが開設されており、日々多くの従業員の健康推進に寄与されているそうです!

視覚障がいから見えてくる「世界」:早川さん&タッチのメッセージ🥰

早川さんとタッチ

「視覚障がいから考える多様性」をテーマに、早川さんとタッチが語りかける時間は、多くの気づきに満ちていました。早川さんが20歳で視力を失ってからのご経験や、「目からの情報が8割」と言われる中でどのように生活されているか、具体的にご紹介いただきました。

盲導犬タッチとの出会い(早川さんにとって4頭目の盲導犬だそうです!)や、ハーネス着用時は「お仕事中」であること、そしてどんな場所でも同伴できる「身体障害者補助犬法」についても説明がありました。盲導犬にも個性があること(水たまりを避ける子と避けない子がいる、なんて豆知識も!)や、道路の信号は早川さんご自身が判断していること、そして盲導犬の重要な役割「利口な不服従」(盲導犬はユーザーの安全を最優先に考えているため、危険を察知したら指示を受けてもユーザーに従わないという能力)も紹介されました。

盲導犬への指示に英語を用いる理由(日本語の「おーい!」「来て!」など複数の表現を避けるため「Come!」で統一しているとのこと)や、鼻先でドアノブの位置を教えてくれる賢さには、思わず「へぇ~!」と感心しました🐶

■身体障害者補助犬法 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hojoken/index.html

テクノロジーが拓く可能性、そして私たちにできること✨

早川さんが普段使用されている、触って時刻を確認する腕時計や、iPhoneの「ボイスオーバー」機能、「Be My Eyes」のようなアプリが、視覚障がいのある方の生活をいかに豊かにしているか、具体的な例を交えてご紹介いただきました。

■ボイスオーバー 
https://voice.digital-society.org/index.php/menu_support_activities/intoroduction_to_novice_of_vo/

■Be my eyes 
https://www.bemyeyes.com/ja/

GPSの進化で、一人で目的地へ行けるようになったこと、事務職や教師、通訳など目が見えなくても活躍できる仕事が増えていること、さらにはカラオケや彫刻といった趣味を楽しんだり、視覚障がい者同士の交流の場「バンバンクラブ(伴走伴歩クラブ)」があったりと、障がいがあるからといって行動が制限されるわけではないというポジティブなメッセージが伝えられました。

■伴走伴歩クラブ 
https://banbanclub.org/

講演の中では、私たちが視覚障がいのある方に接する際の具体的なヒントもたくさんありました

  • 盲導犬は通常、人の左側を歩きます(=早川さんは右側)。サポートしていただける場合は、早川さんの右後ろに立ってもらえると安心です。
  • 何かお手伝いありますか?」と声をかける際は、優しく肩などをトントンと触れて、そこにいることを知らせましょう。
  • 物の位置を伝える時は「クロックポジション」(時計の文字盤に見立てて説明する方法)を活用するなど、なるべく具体的に伝えると分かりやすいです。
  • 時間に余裕がある時は一緒に歩いて案内いただけると嬉しいです。どんな介助が必要か遠慮なく聞いてほしいです。
  • 盲導犬のハーネスには触れないようにしましょう。

最後に早川さんは、「周りの方に支えられて生活できている」と感謝を述べつつ、「壁を取り除いて対等に接し、できない部分はサポートし合うことで、障がいがあるなしにかかわらず、誰もが相互理解して生活できる」というメッセージで締めくくられました。

今回の出前授業は、私たち一人ひとりが多様な視点を持ち、互いを理解し支え合うことの大切さを改めて考える良い機会となりました。早川さん、タッチ、そしてアドビ社員のみなさん、本当にありがとうございました!

参加いただいたアドビのみなさんの感想🌸(※一部抜粋)

  • 視覚障がい者の日常生活における具体的な困りごとと、それに対する効果的なコミュニケーションやサポート方法を深く理解できた。
  • 盲導犬との緻密なコミュニケーションや、その役割について新たな発見があった。
  • 相手が本当に求めていること、必要としていることを直接確認することが非常に重要だと認識した。
  • 視覚障がい者向けのアプリやテクノロジーの進化に驚き、その活用が日常生活に大きく貢献していることを知った。
  • 街中で視覚障がい者の方を見かけた際に、どのように声をかけ、具体的な手助けをするかについて明確な方法を学べた。



写真はすべて©ENERES
文責 エナリス広報部

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