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活動報告

エナリスが挑むGX“サステナブルファイナンス実証”

2023年03月29日

エナリスは電力情報を扱っている会社だと、以前のブログでお話ししたと思います。どこでどれくらい、どんな電気がつかわれたか/使われなかったか・・・そんな電力情報を集めて組み合わせることによって、さまざまなサービスを提供しています。
さて、そんなエナリスでは最近、電力情報と金融を結び付ける新しい挑戦をはじめました。
今回のブログでは、この新しい挑戦“サステナブルファイナンス実証”についてご紹介したいと思います。

そもそも“サステナブルファイナンス”ってナンだ?

サステナブルファイナンスは、「持続可能な社会と地球を実現するための金融」と解釈されており、環境(E)・社会(S)、ガバナンス(G)課題の解決を目指して、 様々な配慮を織り込んだ投融資(ESG投資・ESG金融)、債券発行、その他様々な幅広い金融サービスを含む広い概念と考えられています。企業や自治体の環境問題への取り組み(グリーンプロジェクト)に必要となる資金を調達する仕組みである「グリーンファイナンス」もその一つです。国内でも、あるリゾートホテル運営会社が太陽光発電所の開発費用として8億円の借り入れを行ったり(グリーンローン)、ある電力会社が再エネなどの開発費用を調達するために550億円分の債権を発行したり(グリーンボンド)といった例があります。このように、大企業を中心にグリーンファイナンスの市場は広がりを見せています。

ブロックチェーンプラットフォームとデジタル通貨プラットフォームを連携

エナリスが考える“サステナブルなファイナンスサービス”は、グリーンファイナンスの債券発行などに留まらないサービスであり、その対象は中小企業です。

環境問題に取り組みたいと考えていても、人やお金の都合が難しく、実行できないという中小企業は少なくありません。そこで、エナリスがブロックチェーンを使って構築したP2P電力取引プラットフォームを活用して、中小企業の再生可能エネルギーを使いたい意欲をくすぐりつつ、資金を出す銀行などにもメリットがあるようなファイナンスサービスができないだろうかと考えたのが、“サステナブルファイナンス実証”の原点です。

電力取引に関する情報の記録・保管場所としては、エナリスのプラットフォームがありますが、ファイナンスサービスを提供するにはお金に関する情報との連携が必要です。そこで登場するのが、ディーカレットDCPが構築する「二層構造デジタル通貨プラットフォーム」。“二重構造”というところが非常に特徴的で、様々な金融機関が情報を連携する共通領域といろいろなサービスと連携する付加領域の2つの領域があることにより、デジタル通貨取引を安全に行うことが可能になるのだそうです。

さて、このような電力取引のプラットフォームとデジタル通貨のプラットフォームの連携によって、どんなことを実現しようとしているのでしょうか?大きくは3つです。

① 再生可能エネルギー発電所は、環境に配慮されたものであるかを証明する
→環境に配慮した再生可能エネルギー発電所が増える後押しにする


② 中小企業が、環境に配慮した発電所で発電された再生可能エネルギーを使用していることが証明され、その証明が中小企業が受ける融資の金利、または、支払う融資の利子などに反映される仕組みをつくる。(例えば、融資条件としてSDGsやESG に関連する挑戦目標を設定し、その達成状況に応じて適用金利を変更することも可能)
→中小企業が脱炭素に向け再生可能エネルギーを使用する動機をつくる
→融資する側は、環境問題への取り組み実態がある企業への融資が可能になる


③ 融資や補助金の使途を制限する
→再生可能エネルギー発電所開発などのような名目で受け取った資金が、他に流れてしまうことを防ぐ

サステナブルファイナンス実証の様子

プレスリリースでもお知らせしたとおり、前述のファイナンスサービスが理論的に可能であるかを検証する実証実験が、2023年2月24日にディーカレットDCPの会議室で実施されました。集まったのは、ディーカレットDCPと三井住友銀行、東京都、エナリスの面々。

あらかじめ決められたシナリオに沿って、中小企業の再生可能エネルギー使用実績に応じた電気料金の支払い、中小企業の再生可能エネルギー使用実績に応じて融資する側が翌年の金利の決定、中小企業が受け取った資金の使途制限などが行われている様子を、システムの稼働状況やブロックチェーンの画面(実証のために見える化したそうです!)を見て確認しました。

技術面・仕組み面では、特に問題なく動くことが確認されて実証実験終了。その後の座談会では、このサービスへの期待や実現するためにクリアすべき課題など、参加したメンバーからさまざまな意見が出ました。

正直、超文系の私は、今回の実証実験で行われていることの半分くらいしか理解することはできませんでしたが、このサービスが実現した時に社会に与えるインパクトの大きさを想像すると、とてもワクワクするものがあります。まだまだ先は長い・・・と思う一方で、こういうサービスこそエナリスがやる意義がある!と強く思ったのでした。

“サステナブルファイナンス実証”は、エナリスの取り組みの中でも私が特に気に入っているものの一つです。なぜなら、電力業界を飛び越えて、金融業界と融合して環境問題に向き合おうなんてことを考えるのは、エナリスくらいだろうと思うからです。電力業界の枠にとらわれない挑戦を、これからも発信していきますのでどうぞご期待ください。

写真はすべて©ENERES

取材・文責 エナリス広報部

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