【電力業界のAI活用最前線】知っておきたい!生成AIと著作権の深い関係
2025年09月30日
みなさん、生成AIは使っていますか?
仕事に欠かせないツールとなったAIですが、その利用には注意すべき「落とし穴」があることをご存知でしょうか。
9月10日、エナリスは法務部主催の社内研修「知らなかったでは済まされない 生成AIの落とし穴」を開催しました。
顧問弁護士の中島博之先生を講師にお招きし、生成AIの利用に伴う法的リスクについて、私たち電力ビジネスに携わる者が知っておくべきポイントを交えて学びました。
AIと著作権、電力ビジネスならではの注意点
電力業界は、需給バランスの予測や市場動向など、膨大なデータを扱います。これらの情報をAIに学習させたり、AIが生成したものを利用したりする際には、著作権や不正競争防止法に抵触しないよう細心の注意が必要です。
研修では、AIの「学習」と「生成・利用」の2つの段階に分けて、それぞれのリスクを分かりやすく解説いただきました。
- AI学習のリスク:著作物をAIに学習させる行為は、原則として著作権者の許可は不要です。しかし、特定のコンテンツを生成する目的で学習させる場合は、著作権侵害と見なされる可能性があります。
- AI生成物のリスク: AIが生成したコンテンツが既存の著作物と酷似している場合、「依拠性」(既存の著作物を参考にしたか)と「類似性」(どれくらい似ているか)が問題となり、著作権侵害と判断されるリスクがあります。
AIを上手く業務に活用できれば、電力の安定供給や社会の脱炭素化といったイノベーションに貢献します。だからこそ、私たちは法的リスクを正しく理解し、安全に活用していくことが不可欠です。

自社の知的財産を守るために
今回の研修で特に印象的だったのは、単なる著作権法の解説にとどまらず、エナリスの事業に深く関わる知的財産を守るための知識を学べたことです。
例えば、電力データの扱いについて。単なる数字データ自体には著作権が発生しないものの、これらをグラフやデータベースとして独創的に整理すれば、著作権が発生する可能性があると解説いただきました。機密性の高い情報と向き合う私たちにとって、極めて重要な法律について掘り下げられました。

今回の研修は、生成AIを安全かつ倫理的に活用するための貴重な機会となりました。今後も、こうした学びを活かし、会社全体でコンプライアンス意識を高めていきたいと思います。
写真はすべて©ENERES
文責 エナリス広報部


