社内出前授業を開催!
「不便だけど不幸ではない」共存への一歩に
2026年04月30日
エナリスは4月27日、東京オフィスにて社員向けの出前授業「多様性編」を開催しました。講師は、当社人事部で働く早川美奈子と盲導犬タッチ。エナリスおよびauエネルギー&ライフの社員あわせて51名が参加し、視覚障害のある方の視点や日常を学び、「自然な共存」について考える機会となりました。
「主婦だから料理も得意」きゅうり切りの実演に驚きの声
「息子にはもうすぐ3人目の孫が生まれます」
そんな親しみやすい自己紹介から授業はスタートしました。20歳で視力を失った早川は、2人のお子さんを育て上げたお母さんでもあります。
「主婦ですから、料理もこなしますよ」と早川が披露したのは、きゅうりの輪切りと皮むきの実演。視覚を使わず、包丁の音や指先の感覚を頼りにリズミカルに包丁を動かす姿に、会場からは驚きと感嘆の声が上がりました。料理のときは、手先の感覚だけでなく、嗅覚や聴覚、味覚をフル稼働させるそうです。
早川の本業は、当社マッサージルームでの施術です。「廊下ですれ違ったときは『早川さん、おつかれさまです。〇〇です』と名前を添えて声をかけてほしい」と早川。「そうすることで誰が通ったのかがわかって、皆さんの名前を覚え、一気に距離を縮めることができるんです」。挨拶の時に自分の名前を添えるというのは、何気ないけどとても大切な気遣いだということにハッとさせられました。


盲導犬タッチへの「愛情いっぱいの無視」とは?
早川の元で静かに待機するのはタッチ。早川と盲導犬との生活は28年に及び、タッチは4代目のパートナーです。
盲導犬はついつい「かわいい!」と触りたくなってしまいますが、ハーネスをつけているときはお仕事中。「声をかけない、触らない、食べ物をあげない」という3つの約束があるのだそうです。これは、盲導犬が仕事に集中し、ユーザーの安全守るために欠かせないことのため、早川は「皆さんもタッチに対して“愛情いっぱいの無視”をお願いします」と参加者に呼びかけました。
また、盲導犬の「利口な不服従」についても紹介されました。普段はユーザーの言うことに絶対に従う盲導犬ですが、車が来るなどの危険を察知した場合は、たとえユーザーが「進め」と指示しても、自分の判断で指示に従わずに立ち止まるのだそうです。盲導犬が単なる「道案内」ではなく、「命を預けるパートナー」だと感じました。

「不便だけど、不幸ではない」テクノロジーと人の力
早川は、ヘレン・ケラーの名言を引用し「目が見えないことは不便だけれど、決して不幸ではない」と言い切ります。困っているときは声をかけてくれたり、助けてくれたりする親切な人たちに囲まれている自分は、とっても幸せなんだと。
不便なことも、最近は、テクノロジーで補えることが増えてきたのだそうです。テクノロジーの1つが、無料アプリ「Be My Eyes」。このデモンストレーションも行われました。AIやボランティアがカメラ越しに「目」となって状況を説明してくれるこのアプリ。実際に早川がカメラで会場の様子を撮影すると「最前列にボーダーの服を着た人がいます」「机の上に水があります」と即座に音声ガイダンスが流れ、参加者からは「私?」と笑顔がこぼれました。
また、カラーセンサーなどその他のテクノロジーや、身近なユニバーサルデザインについても紹介されました。Suicaの切り欠きなど、少しの工夫が多様な人の自立を支えていることを学びました。

「孤立」を防ぐために、私たちにできること
「身体障害者補助犬法」という法律があり、公共の施設をはじめ店舗など、すべての場所で、盲導犬などの補助犬の同伴を拒んではならないという「受け入れの義務」が定められています。しかし、実際には飲食店やタクシーなどで拒否されるケースはなくなっていないそうです。
孤立しない社会、差別されない社会をつくっていくためにも、この出前授業を一人でも多くの人にお届けしたいと改めて感じました。
~参加社員の感想~
・ 「最寄り駅でいつも見かける視覚障害の方がいます。これまではどうしていいか分からなかったけれ ど、明日からは自信を持って声をかけてみようと思いました」
・ 「何かできることがあれば!!と良かれと思っている行動が、逆に相手を困らせてしまう事にもなることもあるのが分かった。自然に声をかけたり行動ができたらいいなと思います」
・ 「不便だけど不幸ではないという言葉に心を動かされた」 など
エナリスはこれからも、出前授業を通じて「多様な視点」を知る機会を提供し、誰もが自分らしく輝ける持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
写真はすべて©ENERES
