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ニュースリリース

5年間のVPP実証が完結 成果がVPPプラットフォームサービス提供などに結実

2021年04月12日

再エネ主力電源化・カーボンニュートラルに貢献

株式会社エナリス


株式会社エナリス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:都築実宏、以下、エナリス)は、KDDIと共同で、2016年度から実施してきた経済産業省「バーチャルパワープラント構築実証事業」の最終年度(2020年度)実証を終了しました。エナリスでは、この5年間の実証事業の成果をもとに、4月1日からVPP(※1)プラットフォームサービスの提供を開始したほか、4月から開設された需給調整市場に需要側リソースを束ねるアグリゲーターとして市場入札することを予定しております。


エナリスは、2020年度、17社から成るコンソーシアムを組成して実証事業を実施しました。アグリゲーター事業の実事業化を目指す事業者が多く含まれていることが、本コンソーシアムの特徴です。
需給調整市場を見据えた三次調整力(※2)制御の成功率向上および市場価格に連動したディマンドリスポンス(DR)の経済効果検証では、産業用蓄電システムや自家発電機を用いた三次調整力②制御において成功率100%を達成。需給調整市場で求められる要件を満たすことを確認しました。
また、独自実証として、再生可能エネルギーをアグリゲート(集約)した場合の発電量予測誤差の検証および需要側リソースとの連携可能性を検証する需給一体調整モデル実証も実施し、発電側リソースのアグリゲーションという領域拡大に取り組みました。


エナリスでは、5年間の実証成果をもとに、需要側リソースを束ねるアグリゲーターのためのプラットフォームサービスを開始しましたが、再エネ主力電源化を達成するためには、需要側アグリゲーターに加えて発電側リソースを束ねるアグリゲーターを育成し、需要側と発電側のリソースアグリゲート間でバランスをとっていくことが必要と考えています。2020年度に実施した発電側リソースアグリゲーションに資する実証の成果をもとに、2021年度も引き続き、こうした再エネアグリゲーションに必要なプラットフォーム機能の充実につとめてまいります。


エナリスは、再エネ主力電源化ならびにカーボンニュートラルに資する技術開発・サービス開発を推進し、エネルギー社会の高度化に貢献していきます。


実証概要

事業名 アグリゲーションビジネス実現へ向けたVPP実証事業
アグリゲーション
コーディネーター
株式会社エナリス(幹事社)、KDDI株式会社
リソースアグリゲーター 株式会社エナリス、 中国電力株式会社、 東邦ガス株式会社、 戸田建設株式会社、 西部ガス株式会社、ENEOS株式会社、株式会社ナンワエナジー、株式会社スマートテック、 株式会社Sassor、MULユーティリティーイノベーション株式会社、京セラ株式会社、株式会社グリムスソーラー
実証協力事業者 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社、JREオペレーションズ株式会社、株式会社レノバ、会津電力株式会社
実証地域 東北電力エリア、東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリア、中国電力エリア、九州電力エリア、沖縄エリア
制御対象リソース 産業用蓄電システム、家庭用蓄電システム、自家発電機、CHP、電気温水器、車載用リユース蓄電池、エネファーム、エコキュート、EV充電器、空調機、冷凍機、太陽光・風力発電所(需給一体調整検証用)
実証期間 2020年5月~2021年2月
制御kW 三次調整力①② 約8MW、市場価格連動DR 約2.1MW、 独自実証 約0.7MW
実証内容 共通実証:三次調整力①、三次調整力②、市場価格連動DR
独自実証:一次調整力制御、車載用リユース蓄電池、電気温水器、エネファーム制御、家庭用蓄電池からの逆潮流制御、需給一体調整(需要側リソースを活用した再エネバランシング検証)
実証結果 https://sii.or.jp/vpp02/uploads/B6_eneres.pdf
(一般社団法人環境共創イニシアチブのHPに掲載)


  • ※1:太陽光発電、蓄電池、電気自動車、省エネなど小規模な設備にデジタル技術を用いて統合制御することで火力発電所のような大型発電所と同様の機能を提供する技術。
  • ※2:送配電事業者が需要と供給を一致させる際に使う供給力(=調整力)を取引する市場。調整力は周波数を維持し、安定供給を果たす重要な役割を担う。